おもに乳幼児にみられ、新生児男子の6割程度に起こると言われています。陰嚢水腫では、精巣を包んでいる膜とおなかの中が肉眼では見えないレベルでつながりがあり、おなかの水がこの膜内にたまる病気です。鼠径ヘルニアを合併している場合もあるので、注意が必要です。
症状としては、片方の陰嚢が大きくなり、左右不均衡となります。場合により、両方とも陰嚢水腫で大きくなることもあります。痛みや合併症などは特になく、精巣の裏から光を当てると、光が透けて見える特徴があります。もしも痛みがある場合は、別の病気である可能性も出てくるので注意が必要です。
治療については、1~2歳くらいまでに多くは自然に水が吸収されて消滅しますので、経過観察をします。水腫を刺して水を抜く方法は血腫や感染をおこす危険があり、あまり行われていません。水腫がなくならない場合や、鼠径ヘルニアを合併している場合は手術を行うことになります。